【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第48章 48話
「はぁ・・・、お前は本当に才能が無いのう・・。」
ゼノさんは呆れたように私を見ながらわざとらしくため息を吐く
「そんな事言ったって・・・オーラが悪いんじゃないんでしょうか・・?
だってこっちでは上手くできるのに・・。」
ちょっと悔しくて思わず口応えする
「勘違いするでない、お前がその念を使いこなせるだけの人間ならば
今以上に力を発揮できるはずじゃ・・・。
練を行いやすいのも、纏が自然にできたのも・・・全てそのオーラだからじゃ・・・
そう・・解りやすく言うのであれば・・・まるで・・・、オーラがやり方を知っているかのようだな・・・。」
「オーラが・・・・?」
「とにかくもう少し練として形を整えろ、話はそれからじゃ・・」
ゼノさんは、はたと話すのをやめ、私から少し離れた。
『オーラがやり方を知っている』と口にした時、どこか難しい顔をしていて
自分で言ったその言葉に顔を上げて目を見開いていた
まるで何かに気が付いたような仕草だ・・。
オーラが術を知っている・・
どういう意味なんだろう・・
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「よし、大分見れるようになってきたな・・・
それではこれから水見式を行う、水見式とは・・」
「大丈夫です!知ってます!!
それよりゼノさん!わたし・・・!わたし早く水見式してみたいです!!」
数時間後、ゼノさんに練を認められた私は、ようやくお待ちかねの水見式を行える事になった。
胸がドキドキしている・・・もう完全にミーハー的な心からだ。
グラスの乗った机を目の前に、一度落ち着くようにと怒られてしまった
「ふー・・、大丈夫です。もう大丈夫ですから!いいですか?」
深呼吸をして心を落ち着かせる・・
ゼノさんが私の問いに小さく頷いたのを見て、ゆっくりとグラスに手をかざした・・。
先ほどの感覚を呼び起こし、再びオーラを練る・・・
そしてグラスをオーラで包み込んだ・・。
目を閉じていてもグラスがどんな形をしていて、水滴がどのようにつたっているのか・・
葉の葉脈までも見て手に取るように解る・・・。
そして、感動と余韻を残しながら私は静かに目を開けた。
130626