【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第45章 45話
「思った通り・・!とっても素敵だわ!!」
やっぱり・・・こうなると思った。
半狂乱のキキョウさんに私は苦笑いを浮かべている
・・
先ほどより首がすわって、なんとか上体を起こす程度に回復したが
相変わらず椅子から動けない私はキキョウさんの着せ替え人形と化した。
次から次へと衣装が運ばれてきては着せられ愛でられる
どれもこれも少女趣味なフリルがあしらわれたドレスばかりで少しげんなりした・・。
しかし、写真を撮ったりポーズを求めてくるミルキとは違って
着せてもらえるし座っていれば良いだけだからその分は楽かもしれない
やっぱり親子なんだなぁ・・・。
「あら・・貴女、この傷はどうされたの?ここにも・・」
「あ・・・それは・・。」
肩の出る衣装を着せられている時だった
ふと、二の腕とお腹の傷を指摘される・・
あなたの息子さんから刺された傷です、なんて言えないし
なんて答えよう・・。
「ハンター試験で・・その・・。」
「まさか・・・イルミが言っていた、試験でキルが刺さした人間というのは貴女なの・・?」
「・・・・いや・・はい・・まぁ」
駄目だ、イルミが報告済みだったのか・・。
ワインレッドにシルエットのすっきりしたドレス
それにツインドリルのヘアスタイルに細長いリボンを垂らしている私は
そんな格好に似合わず神妙な面持ちだった。
傍からしたらちょっと間抜けかもしれない
しかしそんな私にどんな感慨を受けたのか、キキョウさんはさも悲しそうに
「女の子の身体になんて事を・・・」と言いながら指先を震わせていた。
「でも、えっと・・内蔵は傷ついていなかったのでもうなんとも・・」
私がそう宥めようとするも既にキキョウさんは発狂し始めていて
「そういう問題ではありませんわ!キルったら!!いくらイルミの命令でも女の子に傷をつけるなんて!!跡が残ってしまったら大変!!!!」
と金切り声をあげながら部屋から飛び出していってしまった。
「・・・・。」
残された私は部屋で1人
フリフリのドレスを着て唖然と椅子に座っているが・・、やはり傍から見たら間抜けだと思われるだろう。
この姿はゴン達に見られたくないな・・。