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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第44章 44話



通路を移動している間、動かない身体とはうらはらに私の頭はそれはもう混乱していた。

勿論キキョウさんと顔を合わせたのはこれが初めてだし、どうしてわざわざ私の所へ来たのかも解らない
今が何時なのかも、何処へ連れて行かれるのかも解らない・・・。


そして私は辿り着いた部屋の椅子に座らされ
メイドさんに顔を拭かれ身体を拭かれ、髪の毛をブローされ・・
されるがままに隅々まで綺麗にされた。爪の先までも

私はこの驚きの連続の中で何故か、宮沢賢治の『注文の多い料理店』を思い出していた。


わたしは食べられてしまうのか・・・・





「あら、見違えたわ!綺麗になりましたわね」

「・・・?」


リクライニングチェアに座らされ、ぼーっとしていると
正面のドアからキキョウさんが入ってきた。

身体はまだ動かない・・
私は倒された背もたれから起き上がる事もできず、横に来るキキョウさんを目だけで確認した


「はじめまして、私はミルキとキルアの母、キキョウです。」

「・・・あの・・・、名前です・・。はじめまして・・」

「貴女がキルアのお友達の1人なのは知っていますわ、ミルキが連れてきたんですってね」

「・・・・は・・・い・・・」




申し訳ないけどこれ以上会話なんてむり・・

メイドさん達にこねくり回されたおかげで
返事をするどころか、目を開けている事ですらできなくなってきた
私の身体はいったいどうしてしまったのだろう・・。








「はぁ・・・、本当に女の子なのね・・。」



え・・・?

ぐったりと椅子に横たわる私を眺めて、キキョウさんがうっとりとそう言った。

その発言に驚いた私は思わず、また目を開く。


「素晴しいわ、身体は少し大きいけれど女の子・・」


薄着のお腹から太ももまでをスススッとなぞられる・・・
私はこそばゆさに身体をよじった


「・・や、なに・・」


「ごめんなさい、つい触ってしまったわ。くすぐったかったわね」


優しくそう微笑みかけてくるキキョウさん・・・、いったいどういうつもりなんだろう
嫌な予感にデジャブを感じながら、私はそれでも横たわっている事しかできなかった。










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