【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第43章 43話
「纏!!」
「!!」
感動と圧倒と驚きの狭間でついボケっとしてしまっていた
ゼノさんの声でハッと我に返り、先ほど言われた事を思い出しながらオーラを身体にとどめようとする・・
「・・・・・・・っ」
身体中をオーラが巡っているイメージ・・
頭から心臓・・右手・・・右足・・・・左手・・左足・・・・・
そうしてまた心臓・・頭へ戻っていく・・・身体の中心を臍に置く感覚・・・
だんだん流れは緩やかに・・なだらかに止まり・・ やがて私の身体を纏い覆う・・・・
「・・・・・・・。」
できた・・・?
「甘いな」
!!
ドサッ
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ほんの数秒
だけど、出来た!!
懸命に集中したが、纏はすぐに解けてしまった
私はその衝撃と気の緩みでお尻をつき倒れてしまうが、口元にはできた喜びで思わず笑みが浮んでいた
「そのままでは立ち上がれなくなるぞ!まだ終わっておらん!」
「は、はい!!」
再び立ち上がる
どうにか集中して纏を持続させようとするが、なかなか上手く行かない・・そのまま数分が経つ
私は焦っていた
やらなくては、頑張らなくてはと思うほど上手く行かない・・・。
どうしよう・・
どうすれば・・・・・
目がかすみ、足に力が入らなくなってゆく・・・ 体力の限界は近かった。
「力み過ぎだ、力を抜け。」
「・・・っはい・・。」
「自然体でいい、ゆっくり目を閉じて深く呼吸をしろ。うまくやろうと思うな
いいか、自分の動作一つ一つを意識して行え。呼吸一つにもだ。
ゆっくりと吸い込んだ息はお前の肺に入り、体を巡り口から出ていく・・・
そうだ・・・・そのまま意識を無意識に・・・・。」
ゼノさんは私を諭すようにそう言った
『意識を無意識に』が頭では解らないのに身体では不思議と理解できる・・
そのまま、私はどこか『とおくにいる』様な感覚に襲われ
次に目を開いた時には、なんの支障もなく纏を行えていた・・。
けれど、最後にゼノさんの教えの声を聞いてからどのくらい経っていたのかさっぱり解らない。