第18章 *猫と私③
私は小さく笑うとコンビニに来るだろ研磨を待つ。
電話でのやり取りはそれなりにしていたけど、会うってなるとやっぱ嬉しい。
私は店内をぐるりと回って商品を見ていると、入口の自動ドアが開く音がし慌てて入口に向かうと賑やかな声が聞こえてきた。
「あれ?黒尾さんの姿ないっスね」
「あいつどこ行ったんだよ!?」
「……トイレじゃ無い?」
私は慌てて近寄るとクロより背の高い男の子と目が合う。
「あれ?お姉さん前にどこかで……あっ!!見学の人!!」
「えっ!あ、はい…」
私を思い出したのか懐っこい笑顔で嬉しそうに言う男の子。
そして、私の存在に気付いた研磨の驚いた顔は忘れません。
「えっ!?何であやねがここに!?」
「あれ〜研磨さんダメですよ〜!このお姉さんは黒尾さんといい感じなんすから!」
なっ!!何て事を口に出すんだこの子はっ!!!
雷を打たれたように私はその場から動けず、変な汗をかいてしまった。
おそるおそる研磨を見ると、凄い顔でその男の子を睨んでいた。
「………リエーフちょっと黙ってて…」
「えっ、何で!?あれ?もしかして俺マズイ事言っちゃいました!?」
慌てだすリエーフくんとやら。
研磨の視線が怖く目を合わせずにいると、もう一人の見た事ある人がリエーフくんのお尻に思いっきりキックを入れた。
「うるせぇよリエーフ!店で騒ぐなっつーの!!」
「夜久さんヒデェッ!!」
「…痛そう」
お尻をさするリエーフくん、そしてキックを入れた“夜久”と呼ばれる子と目が合いお互い会釈をする。
そこでクロが帰った事を伝えなきゃと研磨に言おうとしたけど、研磨の機嫌が見るからに悪い……ので、私は取り敢えず夜久くんに伝える事にした。