第15章 *黒猫の想い人【番外編】
「クロ、やだ…」
「本気で殴るぐらいしねーと止めてやれねぇわ。もう…」
俺の事を押し退けようとしたあやねの腕を取り、俺より20cmも低いあやねを身体全体で包むように抱き締めれば俺の耳元で囁く『ダメ』なんて説得力のかけらも無い否定的な言葉が聞こえる。
「もっと俺が喜ぶ事言ってくれてもいいんじゃ無いの?」
「だから…付き合えないの…」
「なんで?」
ムッとした言い方で聞き返すが、俺はあやねを離す事無く制服の上からお尻を揉んでやると『きゃぁん!』ってクソ可愛い声が出た。
「あのな、そんな声出すなよ…」
「く、クロが揉むからでしょ!?もう離して!きっと研磨が悲しむから!」
出た。
あやねの『研磨』を使った行動を制する技。
俺は離さずそのままあやねの制服の上から同じようにまたお尻を揉んだ。
「悪いけど、今度また研磨を使ったらお仕置きすっからな」
「そんな、ひゃっ!?ちょっ、やぁんっ…ここ、学校だよ…」
「誰もいない教室ですんの嫌?」
「何でする事決定なのよ…」
呆れ顔で俺を見るあやねに俺はキスをする。
わざとリップ音を出して今の状況に色を添え、口角を上げて笑えばまたあやねは顔を赤く染めた。
「俺とすんの嫌じゃないだろ?」
「ほんとにクロ高校生??」
「ははは!あやねも良く知る高校一年ですが?」
「何人も女の子知ってそうだよね?」
「さて、それはどうでしょう」
含みを込めて言えばあやねも含んだように笑った。
「お互い知らない方がいいかもね」
「何それ?あやねさーん俺が初めてって言ってー。なんか反応からして怪しいとは思ってたけどー」
「あはは、クロも可愛いところあるね!」