第2章 *猫②
「ちょっ!?あぁぁぁっ!んっ、もうや、だぁ!!」
「まだ終わってねぇだ、ろが!!」
どこか苛立ちを匂わせるクロの動きに、私は何度目になるか分からない絶頂を迎えようとしていた。
「あぁん、もうイクッ……やぁぁぁっ!!」
「俺もイクッ!!っく!!」
激しく肌がぶつかり合う音が部屋の中に響き私達は一緒に果てたのだった。
身体全体を包むような倦怠感、私の上に重なるクロの熱い身体。
久しぶりに味わうクロとの時間に私は頭の中が真っ白になりボーッと部屋の高い天井を眺めていると、突然胸の少し上に痛みが走る。
「痛っ!?あーもう、またそれ?」
リップ音と共に胸から離れるクロの唇、毎回左の胸にキスマークを付ける。
「ああ、付け忘れてた」
「んっ…なぞらないで、くすぐったいから」
「あんま煽る声出すなよ?終わってやれなくなるぞ?」
「…もう無理だからね。それにしても、クロとするのは命懸けだわ」
「んだよそれ。つか、お前俺と終わってから彼氏いたのか?」
ぐいっと顔を近付けるクロは、キスが出来そうな距離のせいで眉間に寄る皺がはっきりと目に入る。
「…別にいてもいいでしょ」
「へ〜やっぱ。俺と散々ヤッてたんだ、身体も寂しくはなるわな」
「そんなんじゃないよ……」
「挿れた時なんか違ったんだよな。あやねの中。前は俺のに、こーーいい具合に合ってたのに勿体ねぇ」