第11章 猫⑪
部活の前にあやねからメールが来た。
『今度の土曜日、予定が無ければ遊びに行きませんか?』
おれもだけど、あやねはいつもメールの文が短い。
どこかサバサバした部分もあるんだって、あやねと関わる事で知った。
すると、おれのスマホをクロが覗いてたみたいで横から『残念、土曜日練習試合』って違和感のある笑い方をしている。
おれは無意識に眉間にしわがよってたみたいで、近くにいたリエーフに注意されて余計しわがよったのが分かった。
「リエーフうるさい…」
「チョット言っただけじゃないッスか!!」
「だからうるさいって…あとクロもメール見ないでよ」
「おーおー悪うござんした!んで、俺に何の報告も無いんですけどー?」
「……あとで言うよ」
おれの意味ありげな発言にまたしてもリエーフが食いつく。
答える気は無いから、おれは部活が始まるまでスマホのゲームをしてリエーフを無視する事にした。
あやねへの返信は部活が終わった後の更衣室で着替えながら送る。
土曜日は部活で練習試合がある事を伝えれば、あやねが試合を見に来るとメールが返って来た。