第8章 *猫⑧
呼吸を荒げる私などお構い無しに動き出すクロに待ったをかけるも『俺、まだだろ?』って腰を打つける様に激しく、強くなっていく。
左胸の上にいつもの痕を付け、そのままクロは私の首筋にも痕を付ける。
「そ、んなに…やぁぁっ!クロ…んぁっ!」
「あやねっ、好きだ…」
「今、言わな…いで。あぁんっ!クロまたっイ、クッ…」
「俺も…っ!!!」
中でクロが欲を吐き出したのが分かる。
お互いに汗ばむ肌をくっつけ、しばらくは呼吸をする音だけが部屋に聞こえた。
少しして上にいたクロがまた、私の胸を弄りだしたので慌ててその手を止める。
「ま、待ってクロ!もうダメっ!!」
「それ、毎回言うけどお決まりの流れだろ?それに俺、まだ一回しかイッてないし」
「だから!クロが弄るからでしょっ!!や、め…てよ…」
クロの指が胸の先を転がすように焦らすように触れる。
本当に意地悪だ。
「あやね…俺と付き合えって」
「んっ…違う」
私がそう言うと、クロの動きが止まり私の胸の辺りにあったクロの表情が真剣なものへと変わっていた。
「何がどう違うんだよ…」
私の上からクロは起き上がると、苛立ちを隠す事なく服を整え始めたので、私も起き上がると乱れた服を直して口を開く。
「きっと、付き合っても上手くいかないよ…」
「……根拠は?」
「クロはかっこいいよ。大人顔負けの行動や発言をして本当にかっこいい」
私を見ようとしないクロ。
それでも私は今、自分の気持ちをちゃんと伝えたかった。
「だから「待った!!!」」
クロは私の方へ止めるようにと手のひらを前にだして、私が話すのを止めた。