第8章 *猫⑧
スマホを握ったまま頭の中を整理していると、お風呂のドアが開く音がした。
「…早かったね」
「まぁな」
用意していた新しい着替えに身を包んだクロが、床に座る私のところに来るとすぐ後ろに座って私を抱き締める。
「何してるの…」
「こうすんの久しぶりだよな」
「そんな事聞いてないよ…クロ、離れて…」
「後で離れる」
腕をがっしり回されてるので逃げようにも逃げられ無い。
私は手の中からスマホが落ち、この流れは危険。そう自分に警告するもクロの唇が私の首筋をなぞりだした。
「んっ…やだ…」
「嫌そうには見えないんですが?」
意地悪く言うクロの腕から逃げようと動くと、回っていた腕の片手が私の太ももを撫で始めた。
「クロ!?こんな事する為の時間じゃ無いんだよ!?あぁんっ!やっ…」
「でも…ここ、気持ちいいんだろ?」
太ももを撫でていた手が足の付け根を通って下着の上から敏感な部分を弄りだす。
気持ちでは拒むも、私の身体はクロから受ける刺激に素直に反応する。
何度も重ねた身体は知っているのだ。
クロを受け入れるのを。
「あやねは感じると身体、すぐ熱くなるよな…」
「クロ止めてよ…ひゃっ!」
指が中に入り水気を帯びた音が、指を動かすたび聞こえてくる。
私はなんていやらしいんだ。
“止めて”何て、本当に嘘くさい。