第8章 *猫⑧
「なっ!!何でいるの!?」
「そりゃ、いくら待っても連絡来ねーから自分から来たんだろ?さっき言ったよな。すぐにかけ直せって」
「そ、そうだけど。今は入らないで!」
家に入ってこようとするクロの胸を押して拒むが、その手を取られ真顔のクロにひるんでしまう。
「言っとくが、あやねに拒否権は無いからな」
「…そんな、部屋今汚いから嫌なのに…」
「はいはい、中入って下さーい!」
クロに押し返され強引に部屋に入るクロ。
「紙だらけだな…」
「だから嫌だったのに…」
クロは部屋に入ると散らばる紙を集めてまとめだした。
「あっ、クロありがとう…」
「別に〜それよりシャワー借りていい?部活終わりで汗かいた」
「うん、どうぞ…」
荷物を置くと、着ていたジャージの上着を乱暴に置き慣れた足取りでクロはお風呂へと向かう。
まるで何も問題が無いような素振りに、どこか落ち着かな気持ちになるけど、私はそれを望まれてるのだと思い、普通に接する事にした。
「クロ、お腹減って無い?」
「減ってるけど、何かあんの?」
「さっきお母さんから食べ物来たんだ」
「んー、やっぱいらねーわ。それあやねに来たやつだろ?俺後で別の食うから」
それだけ言うとクロはシャワーを浴びに行った。