第20章 *猫と私⑤
どれぐらい研磨に突かれていたか分からなくなった頃、ようやく研磨から『イク』の声が聞こえ、激しく打ち込む研磨にしがみ付いて私も一緒に2回目の絶頂を迎えたのだった。
「はぁ、はぁ、あやね…ごめん」
「….ん?」
直ぐに私の中から抜いた研磨は困った顔をしていた。
私は自分の中から伝う物を感じ、研磨が謝る理由を理解して笑顔を作る。
「大丈夫、だよ」
「本当?」
「うん。だからそんな顔しないで…」
研磨の頬に触れ、軽いキスをすると安心したのか表情が柔らかくなった。
「今度から気をつける」
「あはは、研磨は優しいね」
「……普通でしょ?」
そう言った研磨が目を細めて私を見出したので、笑っていた私はピタリと笑うのを止める。
また何か地雷を踏んだのかな?と変な汗が全身から出てきそうだった。
「……まぁ、いいけど」
「あはは…」
「お願いだから…比べないで…」
その言葉にドキリとした。
私、無意識に比べていたんだって事を。
どうしよう。そう思っていると研磨がシャンプーを出すと私に座ってと言うので浴槽の縁に座る。
研磨が移動すると私の頭を洗いだしたのだ。
「やってくれるの?」
「うん。あやねの髪洗ってみたい。それに、おれだけでしょ?こうするのは…」
優しく泡立てていくシャンプーの香りが広がっていく中、私は特に反応する事なく研磨の優しい指先に意識が向いていた。