第18章 *猫と私③
研磨を見ると溜息を吐いて私を見てきた。
その瞳から目が離せずにいると一度私から視線を外して小さな声で『おれが悪いんだ』ってかすかに聞こえた。
「研磨が?」
「あやねがリエーフと楽しそうにして…可愛い、とか言って…リエーフもクロとあやねがいい雰囲気とか言うし…」
そこでようやく研磨がヤキモチ妬いた事に気付いて、研磨への愛おしさが溢れ研磨を抱き締めた。
「研磨がまたヤキモチ妬いた…」
「!!べ、別にヤキモチじゃないから!何か嫌な感じしただけだから!」
「うん、分かった…研磨、大好き」
私がそう伝えて研磨を覗き見れば視線を合わそうとはせず、頬が赤くなって照れてた。
「ねぇ、研磨…この前はデート行けなくてごめんね」
「いいよ、あやねが忙しいの分かってるから」
「ありがとう、今日研磨に会えて嬉しい」
「…おれも。あやねに会いたかった」
私は研磨の手に触れ頬に唇を当てる。
「研磨…こっち向いて」
素直に顔だけ私の方に向ける研磨に私からキスをする。
触れるだけだった唇は、徐々に触れるだけでは満足出来ずお互いに激しさを求めていた。
誰が来るかも分からないこの状況に、頭ではいけないって分かっていても、もっともっととその先が欲しくて仕方がなかった。
キスだけで荒くなる呼吸、体温も上がり我慢が出来なくなる。
「研磨、この後時間ある??」
「あるよ…あやね…」
研磨が私の首筋に甘噛みすると、痛みと共に肌にキスマークを付けてるのが分かった。
研磨が満足そうに微笑むと私の目を見る。
「…あやね、家行ってもいい?」
「うん、おいで」
「じゃあ、おれコンビニ行って来る」
「家に飲み物とかオヤツもあるよ?」
すると、研磨はいつもの表情で『ゴム買って来る』と淡々と言うので、私は思わず『家にあるかも』と言いそうになったのを飲み込んだ。
またヤキモチ妬いてしまうかも?何て思ったから。
「研磨ジャージだけど平気?」
「…じゃあ脱ぐから持ってて」
研磨は赤いジャージを脱いで半袖ハーパンになるとコインランドリーを出てく。
私はそんな研磨に笑みをこぼし、早く洗濯物が終わらないかなってそわそわとしていたのだった。