第5章 黄昏エスケープ〔千歳千里〕
結局あのあと、折り返し運転だったあの電車に乗って、大阪へ帰った。
スマホの電源を入れると、お母さんからの着信履歴がものすごいことになっていて、千歳と顔を見合わせて笑って。
これから帰るよって電話したら、お母さんが電話口で「よかった、本当によかった」ってぼろぼろ泣くから、結構反省した。
千歳は、家まで送って親に謝りたいと言ってくれたけれど。
私の家出にほぼ無理やり付き合わせてしまっただけだったし、「迎えに来てくれたとき、千歳の印象が悪いと困るから」と頼み込んだら折れてくれて、家のすぐ近くで別れることに落ち着いた。
別れ際「いつか迎えに来てね、絶対だよ」と言ったら、「男に二言はなかよ」なんて笑うから。
ヒールの力を借りて、今度は私からキスをした。
fin
◎あとがき
お読みいただき、ありがとうございました!
千歳と家出、いかがだったでしょうか?
少しでも楽しんでいただけたらよいのですが。
気がついたら目次がカタカナばっかりになっていて、どうしたものかと反省中です。
意識したわけではなかったし、タイトルはそれぞれわりと気に入ってつけたものばかりなんですが…計画性がないってこういうこと?
学生たちの夏休みは、もうすぐ折り返し地点でしょうか。
夏休みが終わるまでに、あと何編か更新したいものです。