第18章 ★王者の休日(4)
耳の裏に舌を這わせ、首筋には噛み付くように痕を残した。
「やぁ…そんな、とこ…」
されていることを察して天海が言う。
その弱々しさが、逆に、俺の鼓動を早めさせる。
疼く。
「見えるところは嫌か?」
「…ぁ…恥ずかし…」
「見えないところならばいいのか?」
シャツとジャケットが揃って天海のなで肩を滑り降りて行き、答えを聞かずに俺は露わになった肩に口付けた。
「…ならば、お前の身体の見えない場所という場所、そのすべてに俺の証を刻む」
背に回した手で、彼女の下着のホックに手をかけた。
1度目は上手く行かない。
2度目で彼女の身体を解放し、剝ぎ取る勢いで胸を掴む。
「あっ…!」
少し上ずった声。
俺の身体の疼きが強まる。
鎖骨まで降りた唇を晒された双丘の片側へ、掴んでいる方へと運んだ。
「形のいい胸だ」
想いがそのまま口を衝く。
嘘ではないと言うように、全体を軽く撫でてからその頂きを親指で弾く。
「若、利くんっ」
「…あまり声を出すと、隣の天童たちに聞こえるぞ」
気づいたことを警告を伝えた直後に、上向き尖がるそこを軽く舐めた。
「…あんっ…!」
仰け反るようにして天海が声を上げた。
甲高いその声に、俺は舐めながら上目遣いに彼女を見やると、天海は慌てて自分の右手を口元に当てた。
少しの恥じらいが垣間見えた。
「んっ…んんっ、んっ!」
ちらちらと舌先で乳首を弄んでから、俺は口を開けて膨らみ全体を咥えた。そして、口内でもやはり頂きをいたぶる。
同時に、双丘のもう一方も、指先で捏ねるように触れていく。
「んっ、んっ、んっ!」
天海の不明瞭な声が静かな部屋の中で唯一のものとして響く。
抑え、殺され、それでも出されたその声は例えようもなく淫靡。
俺は喉の、全身の、渇きを覚える。
「この間よりも感じているのか、天海」
言っては、また、繰り返す。
「…隣に聞こえそう、だからか?」
「んっ! んんっ、んっ!」
首を左右に振る気配。
おそらくは、正鵠。
「んっ、ふっ、んンっ!」
声を抑えて悶えるその姿は官能的で、俺の思考をしばし歪める。
(お前は、この姿を天童たちに見られたら…どうなる?)
興味は即座に打ち消された。
この姿を他の奴らが見る…それは俺の独占欲が「許さない」と断じた。