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【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第8章 家光様の帰城ー二日目・九条ー


今度はお茶をこぼしそうになる。

「な、なんで?」

「えー?そんなの見てればわかるよ。
あんた、鷹司に会うとふわぁと笑うんだよね。
あんな可愛い顔、俺には絶対に見せてくれないし、嫉妬してたんだー。」

しっと?
……あ、嫉妬?

話の行方に戸惑っていると、九条が手を伸ばして頬に触れた。
涙を拭うように目の下を親指でなぞる。
私、泣いてないよね?

「これ、クマだよねー。
昨日、眠れなかったの?」

クマまで作っちゃってたのか。
朝起きてからゆっくり自分の顔も見てないな。

「ちょっといろいろ考えちゃって。」

「寝たら、すっきりするかもよ。」

九条はごろんと横になると、ポンポンと横を叩く。

「一緒に昼寝しよー。」

「ええっ?」

「甘いもの食べたし、きっと眠れるよ。
俺のこと抱き枕にしていいからさー。
抱き心地いいよ、きっと。」

確かに、ちょっと眠くなってきたかも。
完全に九条の雰囲気に飲まれちゃったなぁ。

「じゃあ、ちょっとだけ。」

私も横になる。

「えー、もうちょっと近くにおいでよ。
来ないならこっちから行くよー。」

そう言うと九条は自分から寄ってきて、私を抱きしめた。

「く、九条っ、これじゃあ私が抱き枕だよっ。」

「あ、そっかー。」

九条が優しく笑う。
でも私を解放する気はないみたいだ。

九条、大きいから包まれるとなんだか安心するなー。
このまま寝ちゃいそう……。
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