第1章 アラン←→アーサー
アランの部屋に戻り、どうするか思案中の2人と1匹。
「あ、あの、やっぱりする、の?」
『やるしかないだろ』
「アランはやるしかないって言ってる。」
「……」
『なんだよ、俺の身体だからいいだろ。
戻れないほうが問題だし。』
不満そうな声が伝わったのか、通訳なしでミルクが答える。
「アランの身体だけど……アランじゃないからやっぱり抵抗あるよ。」
「でも、このままでいるわけにはいかないよね。
人間の女の子とするのは初めてだから、うまくできるかわかんないけど。」
『おまえ、女いたのか。』
意外な事実判明。
「あの、じゃあ、よろしくお願いします。」
意を決してミルクが言う。
「アランの大切な人だから、優しくできるように頑張るよ。」
ミルクは、アーサーの差し出した手を握った。
アーサーはそれをそっと引き寄せ、抱きしめる。
「キスしてもいい?」
ミルクは返事をする代わりに、首に手を回し目を閉じた。