第1章 アラン←→アーサー
「アラン、お待たせ。」
あー寝てたみたいだ。
このクッション意外と寝心地いい。
「犬が食べても大丈夫なクッキー焼いてもらってきたから。」
ワン!
「アラン喜んでるよ。お腹すいてたって。」
「よかった。
じゃあロベールさんのところ、行こっか。」
ミルクとアランとアーサーの組み合わせなら、普段から一緒に散歩しているし不自然じゃない。
ただ、アーサーがちょうちょを見つけて突然走り出そうとしたりして困った。
本能には逆らえないらしい。
「ロベールさん、ご相談があるんですけど……。」
ミルクがアランとアーサーの身に起こった出来事を話す。
「それはほんとなら凄いけど。
今ここに座ってるのがアランの姿をしたアーサーで、こっちにいるのがアーサーの姿をしたアランってことなんだね?」
「そうなんだ。
ぼく、プリンセスやみんなとお話しできるのはすごく嬉しいけど、アランが困ってるからやっぱり元に戻らなきゃって思う。」
ロベールが吹き出す。
「今の聞いただけで十分だ。
なんだかずいぶんと可愛いアランになっちゃったねぇ。」
そこへもう1人。
「ロベールさん、頼んでたあれ出来てる?
って、皆さんお揃いでどうしたの。」
「あっ、レオお兄ちゃん!」
「えっ?アラン……?」
たじろぐレオ。
『勘弁してくれ……。』