第5章 TIME SLIP 〜アラン〜
「アランが2人……?!」
ベッドの上には制服のアラン。
もう1人は、いつものアラン。
「おまえ、誰だよ。
俺になにしてたんだよ。」
制服のアランが言った。
「私はあなたの妻です!」
「は? ここ、どこだよ……。
俺はただ、授業サボって昼寝してただけだ。」
「俺は、アラン=クロフォード。
おまえは?」
「俺もアラン=クロフォードだ。」
「だろうな。同じ顔で同じ声だ。
もしかして、おまえは過去の俺ってことか?」
国王のアランが今日の日付を伝えると、制服のアランが息を呑んだ。
「ウソだろ。」
「アタリみたいだな。
俺は未来のおまえで、そこにいるミルクと結婚して、今は国王だ。」
「俺が国王?!騎士団はどうしたんだよ。」
「色々あったんだよ。」
そこまで話してからアランは突き飛ばされたミルクを見て、ただいまと微笑んでベッドに腰掛けた。
「どっかぶつけたりしなかったか?」
「うん、大丈夫。」
アランは大切そうにミルクを抱き寄せて頭を撫でた。
「自分のしたこととはいえ、許せねぇな。
なんで突き飛ばしたりしたんだよ。」
過去のアランを睨んで言う。
「それはっ、その女がっ……。」
「なんだよ。」
「あのね、アラン……。」