第5章 TIME SLIP 〜アラン〜
その頃、城に帰り着いたアラン。
(思ってたより早く帰ってこれたな。
風呂行く前にミルクの顔見に一回部屋覗いてみるか。)
部屋までたどり着き、ドアに手をかけたその時。
『ア ラン……っ』
部屋の中から切なげなミルクの声が聞こてえきた。
(あいつ、何してんだ?
寝言……?にしちゃやけに艶っぽかったけど。
最近忙しくてロクに抱いてやれなかったから、もしかして1人でしてたり……。)
ガチャ
部屋に入ると、明かりは間接照明だけで薄暗い。
(やっぱ寝てんのか?)
ベッドが見える場所まで進むと、そこには2つの影。
その時、上になっていたミルクと思われる人影が後ろに突き飛ばされた。
「きゃっ?!」
「おまえ、誰だよ?!」
「おまえ、誰だよ?!」
部屋に響いたのは突き飛ばされたミルクの小さな悲鳴と、
2つの同じ声が吐いた、同じ台詞だった。