第4章 ユーリ←→チロル
「ミルク柔らかくて 気持ちいい……。」
(寝ちゃった……。)
ミルクの腕枕で、チロルが寝息を立て始める。
最初は驚いて断ったものの、疲れたし1人で寝るのは寂しいし不安だからどうしても一緒に寝たいと駄々をこねられ、ミルクは折れることにした。
(チロルだしね……。)
心の中で自分にそう言い聞かせても、いつでもキスできそうな距離にある寝顔はユーリのもので、さすがにドキドキしてしまう。
(眠れない。)
……………
と、思ったのもつかの間、1日の疲れでミルクも結局眠りについた。
そして、日付けが変わった頃。
(腕が痺れてきたー。)
チロルはずっとミルクにぴったりくっついて寝ていたため、腕の痺れを感じてミルクが目を覚ました。
(いま何時だろう……。
もうそろそろ腕抜いても起きないかな?)
チロルの下敷きになっている腕をそっと動かす。
「あ、起きちゃった?ミルク様。」
自分こそチロルを起こしたと思い一瞬慌てたミルクは、なんだか違和感のないことに違和感を覚えた。
「どうしたの?ミルク様。」
反応のないミルクに問いかける。
「……ユーリ?!」
「まだ夜だけど、おはよう、ミルク様。」
にっこり笑ってそういうユーリ。
ミルクは急いで腕を抜こうとしたが、すぐにユーリの手が腰にまわりホールドされてしまう。
「えっ、ちょっと…、ユーリ?」
「今日は逃がさないよ。」