第3章 シド←→ジャス
「お待ちしていました。」
「あのー、ほんとにシド?
まさか、シドまで双子だったとか、ないよね?」
シドがおかしい理由を道すがら考えて、思いついたのはこれくらい。
「いえいえ、そういうわけではないんですが私はシドでもありません。」
どういうこと??
「ジャスです。お話しするのは初めてですね。」
「ジャスって……、そこで寝てるけど??」
「そこで寝てるのがシドです。」
説明を聞いても理解できない。
シドとジャスが入れ替わっちゃったってこと?!
「昨日、シドが酒場で仕事仲間から怪しげな木の実を“入れ替わりの実”だとかいってもらいました。
シドも話のネタぐらいに思って受け取って帰って来たんですが、興味本位で私と半分こして食べたのです。
気がついたらこうなっていました。」
「なにその、おとぎ話みたいな展開。」
「私はプリンセスとこうやってお話しすることができてとても嬉しいですよ。」
こんなしゃべり方のシドと向き合っていると、ムズムズしてくる。
「ジャスはジェントルなんだねぇ。」