第28章 99+2 ー王宮アランー
ーーそして当日。
パーティー会場はウィスタリア城が貸し出されることになり、アランとミルクは別邸のそれぞれの支度部屋で身支度を整えていた。
逸る気持ちを抑えつつ、ミルクはアランの元へ向かう。
「アラン、準備出来た?」
「ああ。」
返事を聞いてミルクはドアを開けた。
「……。」
ネクタイを締めながら振り返ったアランは、入り口で固まっているミルクを見て言う。
「なんだよ、なんか言えば。」
「予想以上にかっこよくて、ちょっとびっくりしちゃった……。
出来上がりは見せてもらってなかったから。」
はにかむミルクの顔を見て、今度はアランが何か言いたげに黙り込む。
「……え、なに?どこかおかしい?」
「いや、別に。
俺の隣に相応しいようにドレスアップしてきたかなと思って、品定め。」
「わぁ、偉そう……!
なんでアランいつもそうやって素直に褒めてくれないの?
見て見て、これここのリボンとかアランのネクタイと同じ色にしてもらったし、髪飾りだって…… 」
一気にまくしたてるミルクを笑いながら遮り、
「はいはい、プリンセス、そろそろお時間ですよ。
俺の隣はおまえしかいないだろ?」
アランは手を差し出す。
「……そういうとこほんとずるい。」
少し顔を赤らめながら手を重ね、ミルクとアランは部屋を後にした。