• テキストサイズ

【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第28章 99+2 ー王宮アランー



何回かの打ち合わせを繰り返し、今日アランは出来上がったばかりの衣装に身を包んでいた。

「サイズはぴったりだな。
 うん、生地もお姫様が選んだだけのことはある。
 ご感想は?」

鏡の前に立つアランは表情も変えずに着心地を確かめている。

「ああ、まぁ、いいんじゃないの。」

「おいおい、自信作なんだからもうちょっとなんかないのか?」

ちょうどそこへ、ノックの音が響く。
2人が振り返ると、覗いたのはアランの双子の兄のレオだった。

「クロード、今日で打ち合わせ最終日だよね。ちょっといい?」

部屋に入って来たレオは目を細める。

「アラン。さすがにかっこいいね、衣装できたんだ?
 弟が上位に入ってお兄ちゃん鼻が高いよ。」

「これならプリンセスも喜ぶだろ?」

「うるせえな……。」

アランは眉間に皺を寄せて、衣装を脱ぎ始める。

「ミルクちゃん、すごく楽しみにしてたよ。」

「あっそ……。俺に用がないならもう行くけど。」

そっけなく返事をすると、アランは公務に戻って行った。

「アラン、嬉しそうだったね。」

「あれが?!わかりにくいやつだな……。」

「そう?すごくわかりやすいと思うけど。
 ここにサインもらえる?」

「さすが双子……。」

クロードは感心しながらペンをとった。

/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp