第28章 99+2 ー王宮アランー
何回かの打ち合わせを繰り返し、今日アランは出来上がったばかりの衣装に身を包んでいた。
「サイズはぴったりだな。
うん、生地もお姫様が選んだだけのことはある。
ご感想は?」
鏡の前に立つアランは表情も変えずに着心地を確かめている。
「ああ、まぁ、いいんじゃないの。」
「おいおい、自信作なんだからもうちょっとなんかないのか?」
ちょうどそこへ、ノックの音が響く。
2人が振り返ると、覗いたのはアランの双子の兄のレオだった。
「クロード、今日で打ち合わせ最終日だよね。ちょっといい?」
部屋に入って来たレオは目を細める。
「アラン。さすがにかっこいいね、衣装できたんだ?
弟が上位に入ってお兄ちゃん鼻が高いよ。」
「これならプリンセスも喜ぶだろ?」
「うるせえな……。」
アランは眉間に皺を寄せて、衣装を脱ぎ始める。
「ミルクちゃん、すごく楽しみにしてたよ。」
「あっそ……。俺に用がないならもう行くけど。」
そっけなく返事をすると、アランは公務に戻って行った。
「アラン、嬉しそうだったね。」
「あれが?!わかりにくいやつだな……。」
「そう?すごくわかりやすいと思うけど。
ここにサインもらえる?」
「さすが双子……。」
クロードは感心しながらペンをとった。