第27章 touchで起こして…勝手に彼目線ーアランー
もう朝か。
薄く目を開けると、隣には昨日のドレスのまま眠るミルクがいた。
昨日なかなか寝付けなかったから眠いな。
そう思いつつ再び目を閉じる。
(もうちょいこのまま……)
心地良いまどろみの中ミルクの腰に手を伸ばして引き寄せた。
「……っ……アラン?」
あれ、こいつ起きてんのか。
「……何?」
まだ起きたくないんだけど。
「私、いつアランの部屋に来たっけ……?」
「昨日のこと覚えてないわけ?」
「うん。」
だろうな。
思い出そうとしているのか黙り込むミルクに、しぶしぶ目を開けて昨日の顛末を話す。
ごめんと謝りつつもミルクは首をかしげた。
「でも、どうしてアランの部屋に?」
どうせ今日休みってこと忘れてるんだろうな。
頬っぺたを摘んで答えた。
「……っ、な、なに?」
「お前が言ったんだろ……休日は朝から一緒に過ごしたいって。」
「あ……。」
思い出したように大きく見開かれた瞳が、次の瞬間にふわっと細められ笑顔に変わる。
「……ありがとう、アラン。」
「礼はもう貰ったから。」
なんのことかわからない様子のミルクに教えてやった。
「……ここ。」
昨日つけたシルシをとんとんと指で叩く。
「……っ、これって……!」