第27章 touchで起こして…勝手に彼目線ーアランー
抱き上げても、全然起きる気配がない。
よっぽど疲れてたんだな。
今朝も早かったし。
ミルクの部屋へ向かう曲がり角でふと足を止めた。
『朝から一緒にいたい』と言ったミルクの言葉を思い出す。
(俺の部屋でいいか……。)
進行方向を変えて、再び歩き出した。
自室に戻ってベッドにおろす。
少し身じろぎしたものの、やっぱり起きそうにない。
とりあえず靴とショール脱がせてやんないと。
ガラスの靴を手に取ると、出会った頃のことを思い出す。
よくがんばってるよな……。
はじめは逃げ出すかどうか賭けてたくらいだったのに。
上半身を起こしショールを脱がせる。
気づかなかったけど、ただの視察なのになんでこんな露出度高いドレスなんだよ。
「ん……、アラン…… 」
起きるか?と、思って待ってみるものの再び小さく寝息が聞こえてくる。
あーあ、こんな無防備に寝顔晒して俺の名前呼ぶとか……連れてくるんじゃなかった。
……起きねぇかな。
隣に寝そべって寝顔を見ていると、ふつふつとイタズラ心が湧いてくる。
顔にかかった髪をよけて、頬をつつく。
「ミルクさーん?襲っちゃいますよー。」
そのまま唇をつんつんと触っても全く気付く様子がない。
「……。」
吸い寄せられるように、そっと唇を食んだ。
起こしてしまうのは可哀想だと思う気持ちと、起きて反応して欲しいと思う気持ちがせめぎ合う。
まぁ、どっちでもいいか。
開き直って、唇をすべらせる。
首筋をたどって胸元へ。
相変わらず、こいつのこのいい匂いどっからしてんだろ。
しばらくそこにキスを落としてみる。
腰のラインを手でなぞりながら、吸いついた。
白い肌にうっすらと紅い花が咲く。
ここまでしてんのに、ほんとに起きねぇのな……。
身体の熱を持て余しながら仰向けに戻り、目を閉じる。
明日、覚えとけよ……。