第26章 隣にいるだけで ー王宮アランー
その続きは耳元でささやかれた。
「今すぐこういうことしたくなるくらいには、いいと思ってる。」
同時にワンピースの裾から手が入り、太ももをなぞった。
その感覚と驚きでミルクの身体が跳ねる。
「やっ……、ダメだよ外だし!」
ミルクが腕をつかんで止めると、アランは顔を覗き込んだ。
「ダメって顔してないけど?」
「してなくてもダメですっ……ん 」
抗議の言葉をキスで塞がれて、そしてそれはだんだんと深くなっていく。
「……っ、…んぅ…… 」
「じゃあ、キスだけならいい?」
合間の問いかけも、返事を待つことなくキスが再開される。
ミルクの腰に手がまわされて、背筋が甘く痺れた。
(やだ、どうしよう……)
そう思った時「ワン!!」と、すぐそばでアーサーの鳴き声がした。
「……こいついたこと忘れてた。」
苦笑しながらアランは身体を離すと立ち上がる。
「帰るか。」
「あ、うん。」
慌てて片付けて顔を上げると、アランの手が待っていた。
ミルクはそれを握って腰を上げた。
「あれ?」
「なに。」
「手、このままでいいの?」
アランは目を逸らして歩き出す。
「50歩だけだからな。」
「やった!いち、に、さん…… 」
ミルクの歩数を数える楽しそうな声を聞きながら、隣には笑いながらゆっくり歩くアランがいた。