第23章 クリスマスリレー小説ー夏津ー(未完)
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(相変わらず鷹司は優しい。
まぁ、夏津が何か考えてるってのは私にだってわかるけど、教えてもらえないのは寂しいなぁ。)
布団にくるまって今日の出来事を思い返した。
(うーん。私に言いたくない理由ってなんだろう。)
考えているうちに瞼が重くなり、ミルクは眠りについた。
……翌日。
公務を終えて戻ってくると、葵の間の前の廊下で夏津と稲葉が何か話しているのに気づく。
(どうしたんだろう?)
少し離れたところで歩みを緩めると、夏津もミルクに気づいた。
ミルクは声をかけようとしたが、夏津はふいっと顔を背け行ってしまった。
(怒ってるのかな……。
一緒に過ごせそうにない上に、こんな感じになっちゃって最悪だ。
喧嘩したかったわけじゃないのに。)
稲葉は戻ってきた私を笑顔で迎えてくれた。
「お疲れ様でしたミルク様。」
「稲葉、夏津と何話してたの?」
稲葉は困った顔で答える。
「お話して差し上げたいんですが……。」
(口止めされてるのかな。)
「あっ、なんか、ごめんね。
うん、大丈夫。
言えないこともあるよね。
……ちょっと気分転換に庭を散歩してきます。」
何か言いたげな稲葉を残してミルクは庭へ向かった。