第22章 クリスマスリレー小説 ーアランー
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そして、クリスマスイブの前日。
ミルクは作ることに決めたケーキの材料を買いに、城下町を歩いていた。
(欲しかったブランデー買えてよかった!
あとは、ドライフルーツが揃えば完璧。)
メモを見ながら材料を揃えていく。
ユーリが集めてくれたレシピを眺めていると、ブランデーケーキが目に留まった。
(そういえばずっと前に、好きだって言ってた!
よし、これをベースに可愛いケーキ型で焼いてみようかな。)
ミルクはそう決めたのだった。
(アラン、喜んでくれるといいな……。)
明日の夜一緒に過ごすことを考えると、ついつい頬が緩む。
ここ数日で一段と寒くなった街を、白い息を吐きながら歩き目的のお店にたどり着いた。
「え、売り切れ?!」
「悪いねぇ、みんなクリスマス用に買っていくもんだから。
さっき最後の1つが売れちゃったとこなんだよ。」
お店のおじさんは、申し訳なさそうにそう言った。
手に入らないものは仕方ない……。
ミルクはお礼を言うと、城へ帰ることにした。
(ドライフルーツなしでも一応できるし。
華やかにしたかったから入れたかったなぁー、残念。)
ミルクは紙袋を抱えて、その分いっぱい気持ちをこめて作ろう!と気合いを入れた。