第20章 勘違い ー光秀sideー
温かい。
強く抱きしめ返されて、そんなことを思う。
わざと苛めてやったんだと告げると、拗ねた声を出す。
「光秀さんのバカ……。」
「悪かった。」
優しく髪を撫でてやる。
少しやりすぎてしまったしな。
「二日酔いは治ったか?」
柔らかい髪の感触を楽しみながら聞くと、思い出したように答えた。
「薬、ありがとうございました。
私に優しくしてよかったんですか?」
「具合を悪くされたままでは、こういうこともできないからな。」
やっと触れられる。
唇を確かめるように指を滑らせ、口づけた。
「んっ…… 」
ゆっくり離れると、紗代は切ないため息を漏らした。
「どうして欲しい?」
俺のしたいことと同じだろうがな。
「……っ 」
「たくさん甘やかしてやるつもりで来たんだ。
言ってみろ。」
昂ぶる思いを、低く抑えた声でごまかした。
「光秀さんを、もっと感じたいです。」
わかっていても、その口から聞くとこうも興奮させられるとは。
恥じらいからかうつむく顔をもう一度すくい上げ、今度は深く口づけた。
そのまま片手を腰にまわし、帯を緩めた。
口づけを続けながら、すべての結び目を解いていく。
紗代の手も俺の帯を掴む。
そこからは性急に、互いの着物を剥ぎ取るように脱がせ合った。