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【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第20章 勘違い ー光秀sideー


宴の席で斜向かいに座った紗代を見る。
今日はやけに酒が進んでいるらしい。

「……家康、二日酔いの薬は持っているか?」

「ありますけど。」

「光秀様、そんなになるまで飲む気なんですね。
 では私も今日は!」

「言っとくけどお前の分はないよ。」

「三成、俺も言っておくが必要なのは俺じゃないからな。」


とうとう信長様と勝負まで始めるようだ。
適当なところで終わりにさせてやらないとな。
そう思っていると、紗代の声が聞こえてくる。

「秀吉さんのせいですからね!」

あぁ、俺のせいということか。
心の中でほくそ笑む。
悪いな、秀吉。



並べられた料理を右から順番につまみながら、目の端に紗代を映して様子を伺っていた。
本人は平気そうにしているが、信長様の飲んでいるあれは結構強い酒のはずだ。
酒がまわったことを自覚する頃には手遅れだろう。

そろそろ頃合いか。

静かに立ち上がり、上座へ行く。

「紗代、何か踏んでいる。
 一度立ち上がってみろ。」

「え、何だろ?
 ……っ?!」

よろめいた紗代が俺の腕を掴んだ。
不覚にも心拍数が少し上がる。

「そこまでのようだな。」

頬がほんのり染まっているのは酒のせいか、それとも。
動揺を隠して紗代に告げる。

「秀吉にでも部屋に送ってもらえ。」

すると、紗代は掴んだ手をパッと離し秀吉の方へ歩き出す。



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