第17章 千夜一夜物語 ー信長ー
浮いたブラが脱げないように、咄嗟に前で押さえた。
「な、なんですか!
やめてくださいっ……、夜伽はしない約束ですよ?」
信長様は私の背中に指先を滑らせながら言う。
「貴様、以前なぜ夜伽を拒むか俺が聞いた時、なんと答えたか覚えているか?」
「好き合ってもいない男女がそういう行為をするのはおかしいって、言ったと思いますけど……。」
「好き合っていればいいということだな?」
「え、まぁ、そうですね。」
「紗代、今宵は伽をしろ。」
信長様が後ろから耳元で囁いた。
「な、んでそうなるんですか……っ。」
声が上ずる。
何かを期待してしまう自分がいる。
「貴様と俺は、もうとっくに好き合っているだろう?」
信長様の唇がうなじに吸いついた。
「んっ … ぁ… 」
正直、信長様に惹かれているのは自分でも気づいていた。
気づいて、気づかないフリをしてたのにそれを信長様にまで悟られていたなんて。
でも信長様も……?
「どうして…… ?」
「側に置いて離したくないと思うのは、好きという気持ちに相違ないと思うが。」
私のことそんな風に思ってくれてたの?
どうしよう。
嬉しくて胸の高鳴りが止まない。