第17章 千夜一夜物語 ー信長ー
「あ……や、ぁっ 」
信長様の唇が背中に口づけを繰り返す。
くすぶっていた火が、炎に変わってしまいそうだ。
「紗代、こちらを向け。」
うつむいて前を隠したまま上半身を捻ると、信長様は私の両手首を掴み、壁に押し付けた。
「んぅっ 」
荒々しく重ねられる唇。
薄く開いた私の口へ、信長様の舌が滑りこんだ。
口内を犯されて力が抜ける。
私を押さえつけていた手が離れ、胸が下から包まれた。
ゆっくりと揉まれて、身体に甘い痺れが走る。
私は自由になった手で信長様の羽織を握りしめた。
やがて銀糸を引きながら唇が離れ、熱を帯びた瞳で見つめられた。
「信長さ、ま……、ぁあんっ ん 」
信長様は愛撫する手を緩めない。
「やはり貴様は柔らかく気持ちがいい。」
「……っ 優しく、してください、ね?」
「この場での優しくとは、貴様を存分に悦ばせてやることだと理解したが……、それなら期待に応えてやる。」
えっ?!
信長様は私を軽々と抱き上げると、褥へ向かい私を横たえた。
……………
私は衣摺れの音をドキドキしながら聞いていた。
緊張で全身が心臓になったみたい。
信長様が着物を全部脱いだのが視界の端でわかる。
「往生際が悪いな、まだそれを着ているのか。」
ブラはさっきホックを外されて脱ぎかけな感じになってるけれど、自分から脱ぐのも張り切ってるみたいだし……こういう時ってどうしたらいいのよ?!
信長様は横たわる私を閉じ込めるように手をついた。
「脱がせても良いな?」
「は、い……。」
そして私も一糸纏わぬ姿になると、肌をぴったりと寄せて抱きしめられた。
頬をくすぐる柔らかい髪も愛しく思える。
いつからこんなに好きになっていたんだろう。
「冷たいな。」
しばらく下着姿でいたせいで、身体が少し冷えていた。
「すぐ温めてやる。
いい声で啼けよ、紗代。」
そして私は一晩中、信長様に啼かされることになった。
2017.10.03up