第17章 千夜一夜物語 ー信長ー
「今宵は何を持ってきた?」
ネタ切れになった日から3日後、また私は信長様の部屋を訪れていた。
「今日はこれです。」
とりあえず、もうこれしかなかった!
前回の洋服みたいに着て見せるって方法をとらなければ、なんとか我慢できる。
見せるだけなら……。
差し出したのは、旅行のために新調してあの日に着ていた下着上下。
「遠いな。」
あまり間近で見せたくなくて、いつもより少し下がったところに座った私。
「これは未来で女性が身につける下着です。
この時代の女性にはそういう習慣ないと思いますけど、男性は褌してますよね?
未来では男性だけじゃなくて女性も下着をつけるようになるんです。」
一応、お目にかけましたよという実績を残してから、ジリジリと手前に引き寄せる。
「褌と同じようなものか、それにしては2つあるようだが?」
「男の人と違って、女性は隠すところが他にもありますので……。」
「わからんな。」
「だから、ここです!」
私は胸に両手を当てた。
すると、信長様が吹き出した。
「それくらいわかる。
なぜ先日と同じように身につけてこなかった、という意味だ。」
あ……、え?
「む、無理ですよ!!」
「何故だ。」
「だって、裸同然じゃないですか!」
「裸ではないであろう?
見せたくないところを隠すためだと貴様が言ったのだ。
ならば問題ないはず。」
うっ、そうだけどさ……、そうじゃないし。
「着て見せるまで、満足せんぞ。」
それは困る。
「着替えるところは見ないで下さいね?」