第14章 レオのプライベートレッスン.3
部屋には自分1人だったけれど、なんとなく慌てて箱に戻して鍵のかかる引き出しにしまった。
とりあえず朝食に行かなきゃ。
なんだか、ドキドキする。
知識として知ってはいたけど、手に取ったのは初めてであれが自分の部屋にあると思うだけでそわそわと落ち着かない気持ち。
……………
それから数日、鍵をかけた引き出しの中が気になって、ふと気づくと考えてしまっている自分がいた。
もともと1人でそんなに頻繁にしてたわけじゃないけれど、ちょっとくらい興味はある。
でも使うのはちょっと勇気がいる。
だからあれ以来、箱から出してない。
ベッドに潜り込んで、目を閉じた。
レオが仕事で出かけて5日経つ。
帰って来るまでまだ1週間以上あるのかぁ、長いなぁ。
寝る前にレオのこと考えるのダメだ!
ちょっと疼いてきちゃった……。
目を開けて、引き出しの方を見る。
別に誰が見てるわけでもないのに、ドキドキしてしまう。
起き上がろうとしたその時、ノックの音が響いた。
「ミルク様、遅くにごめんね。いま大丈夫?」
ユーリの声だ。
もう、心臓に悪い……。
ドアを開けると、スマホを手に持ったユーリが立っていた。
「レオ様から電話。
明日の公務のことで、どうしても伝えたいことがあるそうだよ。
これ王宮の緊急連絡用の端末なんだけど今日はもう遅いから、明日の朝ジル様に返してくれればいいから。」
そう言ってスマホを手渡された。