第11章 シド←→ジャス2
え、それ、ここじゃなきゃしてくれるつもりってこと?!
含みを持たせた言い方に、胸が高鳴る。
気がつけば、分かれ道に差し掛かっていた。
「ミルク。」
ふいに名前を呼ばれて顔を上げる。
「俺に大切なもん作らせた責任はいつかとってもらうからな。」
シドはキスを1つ落とすと、「予約だ、予約。」と言いながら私の髪をぐしゃぐしゃに撫でて行ってしまった。
今の……、予約?
プロポーズの予約ってこと?
別れ際にあんなこというなんて、ほんとずるい!
シドの誕生日だったはずなのに、私の方が幸せをいっぱいもらっちゃった気がするよ……。
そういえば、ジャスのこと聞くの忘れちゃったな。
プレゼントへの反応見る限り、ほんとだったみたいだけど。
ー『じゃじゃ馬ちゃんが笑ってくれたら嬉しいんじゃない?』
ジャスの言葉を思い出して、二重の意味で嬉しくなる。
しばらく隠れ家には戻らないから知り合いに預けてるって言ってたけど、次に会ったらお礼言わなくちゃ。
おまけにつづく→