第11章 シド←→ジャス2
「もうすぐシドの誕生日なんだけど、欲しいものないか聞きに来たの。
だから、ほんとにあなたがジャスなら、逆にちょうどいいかも。
プレゼント何がいいと思う?
何か欲しそうにしてたもの、ない?」
「教えてほしい?」
あ、なんか意地悪な顔してる……。
シドが演じてたジャスはすっごくジェントルだったのに、本物は軽いなぁ。
「教えてほしい。」
「俺もじゃじゃ馬ちゃんに教えて欲しいことがあるから、交換条件ってのでどうだ?」
「質問の内容は?」
「それは、今は言わない。」
「えーそんなの不公平だよ。」
「じゃあ取り引き不成立。」
選択肢ないじゃない!
だいたい、ジャスが私の何を知りたいんだろう……。
そんなに変なことじゃないよね。
「……わかった、それでいいよ。」
渋々条件を飲んだ。
「もともとあいつ、物をたくさん持たないやつだからなぁ。
特に欲しいものなんてないんじゃない?」
「それ、答えになってない!」
「まぁまぁ、最後まで聞きな。
やっぱりシドはじゃじゃ馬ちゃんが笑ってくれたら嬉しいんじゃない?
だから、じゃじゃ馬ちゃんがあげたいものをあげなよ。」
私のあげたいもの……。
シドに持ってて欲しいもの、ってことだよね。
そういう風に考えたことなかったな。
それにしても、
「ねぇ、とりあえずその呼び方やめてくれる?」