第2章 *所有物
プラゴール「ヴィアちゃん…と言ったかな?」
『あ、はい。 何でしょうか?』
突然名前を呼ばれ、プラゴール様の方に顔を向け返事をする。
プラゴール「さっき、彼が言っていたけども……君は″買われた″んだね?」
『えぇ……』
プラゴール「失礼を承知で聞くんだが、奴隷か何かだったのかい?」
『いえ、私は″オークションに出品される予定″だったんです』
プラゴール「オークションに?」
少し拍子抜けた様な声で不思議そうに聞き返された。
でも、その声の裏に何か…自分にはあまり分からないが黒い何かが隠れているように感じた。
『まあ、いわゆる″闇オークション″ですね。自分もあまり記憶が無いので詳しくは知らないんですがね』
そう、自分はセン様に買われた時の記憶が、全くと言っていい程無いのだ。
だから全てはセン様から聞いた話である。
プラゴール「記憶が……闇、オークション…」
『……プラゴール様?』
ボソボソと、独り言を呟いている彼に声を掛けてみるが、何も反応が返ってこない。
そっとしておいた方が良いのかと思い、話し掛けずにいると突然プラゴール様の声色が変わった。
プラゴール「やっぱり、お前がっ…」
『うっ……!?』
シャツの胸元を掴まれ、そのまま前向きに引っ張られてよろめいてしまう。
何が起こっているのか…分かるのは一つ。
私は今、凄く危険な状態になっている。
プラゴール「まさかとは思ったが…お前が″あの能力″を持っている奴だったなんて。 ずっと欲しいと思っていたんだっ、その力が」
『プラゴール様っ? な、何を仰って…』
プラゴール「印さえ付けてしまえば、私の物に…」
『ひぁっ!?//// な、何が』
服の下はチャイナ服の下と同じ様に左右が大きく開いているのだが、その部分に指が這い変な声が出てしまった。
膝辺りから、どんどん太股の方に手が上がってきて…
「僕の使用人に勝手な事をしないで頂けますか?」
『…わっ!?』
今度は後ろに勢いよく引っ張られて、背中から床に叩きつけられると体を強ばらせていると、その声の主に抱きとめられた。
『せ、セン様っ』
セン「全く……手が掛かる」