第2章 *所有物
プラゴール「ちっ……」
セン「やっぱり黒だったか、プラゴール」
セン様のその言葉に私は驚きを隠せなかった。
黒……簡単に言うと、敵を意味する言葉だ。
『プラゴール様が、敵…』
プラゴール「あぁ、あと少しだったのによ(笑) 」
ため息混じりに鼻で笑うのが聞こえた。
やはり彼は黒だったようだ。
だが、セン様がプラゴールの言葉を否定しに入る。
セン「あと少し? そんな訳ないだろ(笑)」
挑発的なその言葉の後、私の服に手が掛けられた。
思わず止めそうだったが、セン様の言葉から察した私は体を預けたままじっとしている事にした。
ワイシャツとベストの裾が上げられ、肌に焼き付いたそれが現れる。
セン「残念だが、彼女には僕との契りがあるんでね」
プラゴール「くっ……契りだったか。 仕方ない、ひとまず退散かっ」
セン「逃がしはしない」
『っ……』
後ろに押された時、目に巻いていた布がどこかに引っかかり解けてしまった。
その時、目の前で起こった光景に私は驚く。
セン様が術を使っているのを初めて見た。
セン「自分の運命を恨むんだな、プラゴール」
そう言うセン様の足下から、真っ黒い影…いや闇がプラゴールの方へと伸びていくのだ。
すぐにプラゴールの体中に闇がまとわりつき、逃げる事を許さない。
プラゴール「くそっ! なんだよっ、これっ!」
『……す、ごい』
思わず声が出ていた。
そのままプラゴールは真っ黒な闇に包まれてそのまま小さく、小さくなり……消えた。
『消えた……!? プラゴール様はっ!?』
セン「そんなに慌てなくても、生きてるよ。 どこかに飛んだのさ…少し脳にダメージを与えてね(笑)」
笑いながら言うセン様を見て、一瞬で私は悟った。
この人は、強い……
『あっ…布が…….』
拾ってみると、千切れてしまっていた。
仕方ない……新しいのを取りに部屋に戻ろうと立ち上がると、後ろから抱き着かれた。
『っ////……セン様?』
セン「…久しぶりに使ったら、疲れた」
『あ……じゃあ』
私はセン様の目を見て言った。
『休憩、しますか?(笑)』
セン様「あぁ、そうする(笑)」