第6章 *過去の傷
私は手を噛んだまま動きを止めた。
頬を伝う涙がセン様の体に落ちていく。
「ヴィア……噛まなくていいから」
そう言って左手を掴まれ手を繋いでくれた。
いわゆる恋人繋ぎという繋ぎ方だ。
歯が刺さっていた場所から血が流れセン様の体に落ちていく。
私の口からも血が流れた。
「だいぶ噛んだね。辛かったの?それとも、必死だった?」
『んぅ……両方、ですっ』
「そっか…続きは止めるか?」
セン様がそう言った瞬間、中のモノをグッと動かされた。
意地悪だ、私が言うのを待っている。
『んんっ!?……ぁ、やです…したい、ですっ』
恥ずかしいから右手で顔を隠しながら言うと、右手も恋人繋ぎをされ、
「もう一回。ちゃんと俺の顔を見て」
また一度グッと動かされ、支えてもらわないと前に倒れそうなぐらい、力が抜けてしまっていた。
『ぅ……つ、続きが…したい、です』
「よく出来ました(笑)」
『んぅあぁぁぁぁぁぁっ!』
一発で良いところを当てられ、さっきまでずっと溜まっていた色んなものが一気に放出された気がした。
その一突きだけで体中の力が抜けてしまい、手を繋いだままの状態で支えられた。
『ぁ、あっ……わ、たし…だけ、だめぇ』
「うんうん、ヴィアだけじゃないよ。俺もちゃんと気持ちいいから」
『ほん、と…? よかっ、たぁ』
さっきまでのはどこへ行ったのか、今はセン様の上でトロトロになってしまっている。
頭が何も考えれなくて…ドロドロ溶けてしまうような、気持ちよくて何もわからない。
辛うじて残っている自我で会話しているだけだ。