第5章 *お買い物
『ありがと、ございますっ…』
「いえいえ、あと言い難いんだけど…匂い嗅いでも良いかな?」
『……ぇ』
「あぁ、別に変人とかそんな性癖を持ってるとかじゃないからね? 自分も術師だから、匂いで病状と合う薬の種類が分かるから、ね」
『変わった術ですね…….でもいつもはしませんよね?』
「センの奴がね、止めに来るからさー。 よっぽどヴィアちゃんが大切なんだね」
呆れながら目の前で悩ましい顔をしてリアクションするレギーロさん。
それが術なら仕方ないかな…と、了承した。
「ありがと」
目の前に立っていた彼は、マスクをずらしながら近づき顔近くで息を感じた。
スンスンと顔の横で感じるなか、レギーロさんの髪が頬に触れくすぐったかった。
「…………。」
『どうしました?』
顔が離れた後、マスクを戻しながら何故か悩ましい顔で考え事をしているようなレギーロさん。
声をかけてみるが、返事が無いためよほどの事だろう、帽子を被り待つことにした。
「……術が、かかってるかも」
『…??』
「分からなかった。 たぶんいつもの薬じゃ駄目とは思うけど、その傷痕は術を解かなきゃ治らない」
『そう、なんですか…』
「痛み止めは出しておくから、飲んどいて。 ちょっと色々調合してみて、治らないか考えておくよ」
『はい、ありがとうございます(笑)』
そのまま私とレギーロさんは再びお店の方に戻る。
私は薬を待ちながら店を見て回る、色々な薬と言うか葉(?)が瓶に入れてあり壁の引き出しにも沢山入っている。
こんなに種類があって間違わないのかと疑問に思うくらいだ。