第5章 *お買い物
「そういや、このクレス君が着てる服さヴィアちゃんのだよね?」
『え? あ、まぁ、はい』
「あー、良かった…クレス君がそっち系の子かと思った(笑)」
「…!?」ブンブン
「服が無かったから…とかなんじゃない? この位の歳の子は、あの屋敷にはいないだろ?」
『そう! そうなんです、ティーラさん!』
「あぁ、なるほどね…じゃあ早速作っていきますかっ!」
そう言ってアニミさんは服を作るために気合い(?)を入れ始める。
ティーラさんも道具などを取り出したりと、 本格的に始まったため私はお店を出る事に。
『じゃあ、服の方お願いします。 私は少し行かなければ行けない場所があるので、また来ます』
「おぉー、分かったよ。 行ってらっしゃい」
「気をつけてね、行ってらっしゃい」
「(行ってらっしゃい!)」
『はい、行ってきます』
三人に見送られ、店の外へ出た私は再び細い道を歩き目的の場所を探す。
看板を頼りに何度か角を曲がって進んで行くと、やっと目的の店の看板を見つけた。
その看板のある角を曲がると、目の前には少し怪しげな雰囲気の扉がある。
何度か来てはいるのだが、どうも雰囲気に慣れれず怖気づいてしまう。
だが、勇気を出して扉の中へ入っていく。
『こんにちは…』
小さな声で挨拶をして店内に入り見渡すが、店員の姿は見当たらない。
どうもこの店は薄暗くて怪しくて、奇妙だ。
部屋いっぱいに薬の匂いが充満している。
『居ないのかな….? 薬、もう無くなるんだけどなぁ』
「なら、新しいのをあげなきゃね」
『うおっ!? び、くりしたぁ…』
「久しぶり、なかなかの驚き方だったよ(笑)」
突然背後から現れたこの店の店員、レギーロさん。
くくっ、と笑いながらぽんぽんと背中を叩かれた。
『そんなに笑わないで下さいよ…////』