第7章 Have a cold〜菅原孝支〜
「あんず〜?いる〜?」
玄関のドアの開く音と、
病人だということを気遣わない
大声で目を覚ました。
知らない間に眠ってたのか。
「いる」
「ん。アイス」
「ありがと…」
「薬ってこれ?」
「ああ、そこまでしてくれんの」
「ちょっと棚いじった。ごめん」
「ありがとう」
孝支が持ってきてくれたアイスを
食べながらぼんやり考える。
「…孝支、お母さんみたい」
「何それ」
本人には鼻で笑われたけれど、
あながち間違ってもいないと思う。
袋の中にちらっと見えたネギとか。
袋の中にちらっと見えた卵とか。
袋の中にちらっと見えたお米とか。
絶対お粥作って帰る気でしょ。
「最近ちゃんと寝てた?」
「まぁ、生徒会のが残らなければ」
「それが残ってたんだろ?
んで、寝てなかったんだろ?」
「ん〜〜…」
「あんず」
「そうなんだけどさ」
「体弱い自覚あるのかよ」
「あるけど…」
「けど?」
いかん。
これは怒ってるな。