第7章 Have a cold〜菅原孝支〜
怠い。
重い。
痛い。
眠い。
これは間違いなく風邪だ。
絶対そうだ。
そうでないわけがない。
逆に風邪以外の何だ。
答えてみやがれアホンダラ。
「あー…」
喉の表面同士がくっついているような
そんな気持ち悪さが、目を覚ました途端
一番に私を襲ってきた。
その次に頭痛など。
「風邪とかマジ消えろ…」
セオリー通り額に手を当てる。
熱い。
人間の額の温度じゃない。
結構熱あるぞこれは。
「やっば…」
薬を、とも思ったが、大体の風邪薬は
空腹時を避けて飲むものだ。
つまり飯を食ってから飲めと。
飯?
作れと?
無理無理。
こんな状態で?
無理無理。
こうなりゃあの方に頼むしかない。
青いタヌキではないが、いつも私を
窮地から救ってくれるあの方に。
ベッド横に置いてある携帯の履歴の
一番上にいる名前を押して、電話を
かける。
今日もワンコールで出てくれる。
『もしもーし』
「あーもしもし孝支ー?」
『何その声!?』
「風邪」
『だよな!すぐ行く!』
「話最後まで聞いて…」
『あ…ごめん』
「バニラアイス…なんでもいいから
買ってきてくれる?あとスポドリ」
『ウチにあるからそれでいい?』
「なんでもいい」
『りょーかい。布団ちゃんとかぶって
待ってろ』
「ありがと」
プツッ。
ツーツーツー。
不通音。
私の愛する彼氏は青いタヌキ…