第3章 再会、忘れたい過去
俺の腕の中で固まってる彼女。
緊張してるのかな?可愛い。
思わず微笑んでしまう俺。
この子17歳なのにやけに大人っぽくて、でもこうゆうところはウブで惹かれる。
なんかずっと、傍においておきたいって思う。
めちゃくちゃ可愛い妹をもった兄みたい。
「私...」
「ん?」
彼女がもぞもぞと動く。
もう行っちゃうの?
このまま抱き締めていたいくらい可愛過ぎる。
「そろそろ帰っても...?」
彼女が顔を真っ赤にして、上目遣いでそう言う。
帰したくねぇ...。
「わかった。帰してあげるから、アドレス教えて?」
笑顔を作ってそう言った。
彼女は俺の笑顔に弱いらしい。
俺が笑いかける度、眉を下げて愛おしそうに俺を見つめる。
俺の勘違いかもしれないけど。
「はい!アドレスどうぞ!!」
そう言って、携帯の赤外線を俺に向けた。
凛ちゃんのアドレス、ゲット!!
「じゃ、行こうか。凛ちゃん家に」
「え?」
「こんな夜中に、女の子1人で歩かせる訳ないでしょ!」
この夜中に、女の子1人じゃ危ない。
凛ちゃんは可愛いし。
「わかった?」
「あ、はい...」
可愛い。
俺の言う事ちゃんと聞いてくれる。
そして俺たちは、凛ちゃんの家に向かって、ゆっくり歩き出した。