第3章 再会、忘れたい過去
私たちは公園に着いて、入り口近くのベンチに腰かけた。
「ねぇ、友達、なろっか?」
無邪気に笑いながら、そう言う海斗さん。
「あ、はい」
でも、私は友達という存在にどう接したらいいかわからない。
裏切られるかもしれない。
人との関わりに、臆病になっている私。
「どうしたの?俯いて...。嫌?友達...」
「っ...いえっ!そんなことないです!」
笑顔になれない自分の顔を無理矢理、笑顔にさせる。
眉を下げて残念そうな顔をする、海斗さんを笑顔にする為。
そして、笑顔を作ってくれる海斗さん。
私、海斗さんの笑顔、好き。
「よかった。お互い名前しか知らないから、なんか軽く自己紹介してよ!俺もするから!ね?」
満面の笑みの彼。
「はい!えーっと...今は17歳で、高校中退しました。誕生日は7月14日です。好きな色は、ピンクです!」
私は軽く自分のことを、海斗さんに教えた。
「ピンク好きなんだね!俺も!」
「本当ですか?じゃあ次、海斗さんのこと教えてください!」
私も海斗さんのことが知りたいから、聞いた。
「俺はね、26歳だよ。誕生日は3月18日。バンドやってて、この前会った時、ライヴだったんだけど、遅刻しそうで急いでたんだ。ごめんね、おでこ、痛かったでしょ?あれから大丈夫だった?」
「全然大丈夫でしたよ!」
おでこに手を宛てて、笑顔を作ってみせる。
「てゆか、海斗さんバンドやってるんですね!かっこいいです!」
「まだまだ無名だけどね。でもありがとう!」
苦笑いをしながら、そう言う海斗さん。
私は、海斗さんの笑顔に惹かれてる?
海斗さんが笑う度、胸がキュウって締め付けられる。
でも好きになっちゃいけない。
どうせ太陽の様にキラキラ笑うこの人だって、私を裏切ってどっかへ行ってしまう。
人と関わろうとしすぎて、私は突き放された。
もうあんな思いしたくない。
海斗さんだけにはそんなことされたくない。
それから私は他愛もない話を30分程した。
家のこととかそういうこと。
そして海斗さんに聞かれてしまった。