第3章 再会、忘れたい過去
海斗さんか...。
「また会いたいなぁ...」
私は、そんな淡い期待を抱きながら、眠りについた。
「んんっ...んっ」
(「もう!あんた臭い!」「失せろよ!」「汚いから近付かないで」「あんた、ホントムカつく!」)
昔の夢を見た。
未だに忘れることの出来ない。
暗闇の中、独り、声を殺して泣いた。
そんな日が何日も続いたんだ。
海斗さんに出会ってからずっと...。
それから数日が経ったある日、また貴方に会えたの。
夜にジュースが飲みたくなって、冷蔵庫のが切れてたから、近くのコンビニへ行った。
そしたら、貴方に会えた。
「凛ちゃん?」
「ふぇ?」
急に自分の名前を呼ばれたから、間抜けな声出して、間抜けな顔で、振り向いてしまったんだ。
「...って!えっ!?海斗さん!?」
海斗さんは、私の反応に、一瞬驚いた様に、目を丸くしたけど、すぐに優しく微笑んだ。
「こんな夜中に外出たら、危ないよ?」
「大丈夫ですよ!」
「ここから家、近いの?」
「はい、近いです!」
海斗さんは私の心配をしてくれた。
今まで、心配してくれる人なんていなかった。
優しい人なんですね...。
私たちはコンビニを出て、少し近くの公園で話すことにした。
コンビニの中で聞いた話だと、海斗さんもこの近くのマンションに住んでるみたい。