第5章 甘い甘い練習
チョロ「おかえりなさいませ、お嬢様。何かご用でしょうか?」
完成度高い……!
さすが……。
『チョロ松さんのおすすめのドリンク、お願いします』
チョロ「かしこまりました、お嬢様」
なんて言うのかな……。
品があるんだよね……。
チョロ「お待たせいたしました」
『ありがとうございます。チョロ松さんも座ってください』
チョロ「お嬢様はお優しいのですね。それでは、失礼いたします」
なんか、完璧すぎて面白くない!
いや、完璧なのはいいことなんだけどね?
こうなると、困らせたくなってくるな………。
あっ、そうだ!
わたしはテーブルの上にある、グラスを手に取る。中に入っているのは水だ。
『あ、零れちゃった……。すみません』
もちろん、わ・ざ・と♡
さあさあ、どういう対応をしてくれるのかね?
チョロ「お嬢様……!お洋服が……!」
そう言って、タオルで服に零れた水を拭こうとする。
あれ……?
ちょっと、待って……!
近い!近いから!
っていうか、自分で拭くし!!
チョロ「お嬢様……?どうかされ───……っ!」
チョロ松さんが顔を上げる。
お互い息が触れ合うほどの距離で。
じ、自業自得だ、これ………!