第12章 ボクの本命♪【トド松】
『そ、それは……』
こういう場合ってどう答えたらいいの?
何か気がきく言葉、なんて知らない。
嬉しくないわけじゃない。
それは決して違う。
でも……
トド「……ごめんね?困らせちゃったよね」
自分でも知らず知らずのうちに俯いてしまっていたらしく、トド松さんに下から覗かれて初めて分かった。
トド「でもね………」
先程まで不安げに揺れていた瞳とは、打って変わって、いたずらっぽい笑みが彼の顔に浮かぶ。
トド「キミの困った顔、可愛いから好きなんだ」
『え………?』
トド「だから、今日はうんと可愛い顔、見せてね♪」
さすがおそ松さんと同じ血が通っているだけある。こういうとこ、ほんとにそっくり。
背筋がぞわっと寒気立つ。
トド松さんからはもともとなんか、そういう裏っぽいものを感じ取っていたけど、まさかここにきて本性を現すとは………。
今までにお茶の誘いを断れなかった自分にこれほどまでに後悔したことがあっただろうか。
いや、今日が初めてだ。