第5章 甘い甘い練習
トド「おかえりなさい、お嬢様」
相変わらず、人懐っこい笑顔。
可愛いんだけど、なんか闇がありそうな……。
トド「隣に座ってもいいですか?お嬢様」
『はい、どうぞ座ってくださ───……』
トド「ボク相手に、敬語なんて使わないで?お嬢様」
わたしの唇にトド松さんの人差し指が触れる。それだけでも、恥ずかしくてどうにかなりそうなのに、トド松さんの顔が近い。
こんなの、ずるい。
トド「お嬢様、返事は?」
囁くようにそう言われ、顔がかっと熱くなる。
『わかり………わかった』
トド「はい、よくできました」
満足そうに頷き、隣に腰掛ける。
にしても、距離近くない?
トド「お嬢様?顔が赤いですよ?執事なんかのボク相手に緊張、してるんですか?」
『ち、ちがっ……!』
トド「本当に?」
ぐいっと一気に顔が近くなる。
ちゃっと、これ以上は………、
もう無理!!
『ちょ、チョロ松さん!!』